第6話
映像制作のウラ側 ドキュメンタリー監督 「岸田 浩和」とLUMIX S5M2X
Creator
岸田 浩和 (LUMIX公認クリエイター)
ドキュメンタリー監督。Yahoo!ニュースドキュメンタリー、VICE Japan、NHK新日本風土記ほかにディレクター参加。ナイジェリアでサッカー長編を制作中。関西学院大学、東京都市大学、Vookスクールなどでドキュメンタリー講師も務める。 著書:玄光社「映像インタビュー術」
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信頼できるパートナー
LUMIXを長年愛用している岸田さん。その理由について聞いた。
「とにかく熱で止まらないんです。熱の管理をしなくても撮影に集中できるというのが、すごく楽で。その点、LUMIXを信頼しています」
そんな岸田さんは今回、S5M2X、S5M2、G9M2の3台体制で現場に挑んだ。
基本的な映像はS5M2X、対してG9M2は手ぶれ補正が優秀さを活かして、LEICA DG SUMMILUX 9mmをつけて、ジンバル的に使用していた。
「以前はカメラが大きかったので、現場で複数台持てなかったのですが、今のラインナップはカメラが小さいので、それが可能になった印象です。あと、カメラの操作系や、メニューのどの階層に何が入ってるかは、目を瞑ってでも操作できるぐらい僕に馴染んでいて、
体の一部になってるような感覚があります(笑)」
違う機種でも、操作系がある程度統一されているLUMIXだからこそできる体験は、共感できる方も多いのではないだろうか。 -
顔出し不可の撮影
「実は今回、ちょっと不安があって。僕は普段ドキュメンタリーを撮っているのですが、
人の目や表情を捉えることで感情を伝える演出をしているんです。でも、今回の撮影では顔立しができないと(苦笑) なので正直、どうしようかと思ったんです」
不安を抱えてスタートを切った現場だったが、撮っているうちに心情の変化があったよう。
「むしろ、利き手を封じて、それでも自分の表現ができるとしたら、何ができるだろうか、ということに興味が出てきて。実際、お話しながら、リズムよく撮れましたし、意外と後ろ姿とか手の動きで、感情が伝わるとううことが撮ってるうちに見えてきたんです。なので、やってよかったと思っています」 -
ドキュメンタリー作家になった理由
「ビデオグラファー」という呼称が生まれる前から、ビデオグラファーとして活動していた岸田さん。実際、彼の功績によって現在のビデオグラファー業界が始まったといっても過言ではないほど、その功労者としての側面もある。そんな岸田さんは何故、動画を撮り始めたのか、そのきっかけについて聞いた。
「カメラを買ったのは、2011年の正月でした。ちょうど、東日本大震災があった翌年です。それで、被災したある工場を映像に撮ったんですね。もちろん、メチャクチャ下手だったし、見よう見まねで撮った作品だったんです。でも、その作品を見て”よかった”とか
“あなたにまた撮ってほしい”という依頼が来たんですね。そういった体験って、生まれて初めてだったんです。それはまさに、僕自身の人生を救われた経験だったんです。それがたまたまドキュメンタリーだったので、追求していきたいなと思って、それからドキュメンタリーにのめり込んだんです。うまいからお願いします。ということではなく、作家性とか、作品の特徴というのが響いたということで、この世界だったら、自分が生きてる意味が感じられると思って、続けています」 -
本物の仕事
最後に、今回の現場で印象的だった場面を岸田さんに聞いた。
「最後の浜辺のシーンを撮っていたときに撮りながら高揚感があって。撮っていて、エスプレッソライザーさんが自分の意思でモトプログをやるべきだと思って、自分の道としてされてるということを感じたんです。そういう本物の仕事に出会ったから、嬉しくなったんだと思います。だから、そういうところが見てる人に伝わるようにできたらいいなと思っています」
Documentary4 inc.
エ ピ ソ ー ド
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