第3話
LUMIX S5IIXで作る「妄想喫茶」/ フォトグラファーKazooの だから、LUMIX。
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妄想喫茶
店主とお客さん、2つの視点を同時に感じられるKazooさんの写真は「妄想喫茶」をコンセプトにしている。
Kazooさんに、ことの経緯を伺った。
「子供の頃、弟が使っていた部屋をDIYでリノベーションして、現在の写真部屋にしているんです。子供の頃に遊んでいたRPGの道具屋とか、魔法使いの書斎を再現するイメージで部屋を作ったんです」
妄想喫茶というコンセプトのもと、映し出される独特の世界観は、このDIYから始まった物語の一部であるとも、言い換えられるかもしれない。 -
撮りたいものの変化が生んだLUMIX遍歴
G9 Proを皮切りに、動画を撮るためにGH5Sを購入。
その後、星空の撮影をするべく、フルサイズに移行。S5を経て、S5M2Xにたどり着いたんだとか。
今回は、フォトグラファーとしてのKazooさんを取材したわけだが、実は映像クリエイターの側面も持っている。テーブルフォトで魅せる世界観をそのままに繰り出される映像も特筆。是非、皆様にもご覧いただきたい。 -
コーヒーの水滴と、連射機能と。
Kazooさんと言えば、コーヒーの水滴写真。その撮影の裏側を聞いた。
「いつも、マニュアルフォーカスで、SS1/1000以上、ドライブモードの超高速連射モードにして撮っています。この連射機能がすごくよくて。こうすることで、ベストショットが撮れるんです」
とはいえ、200枚撮った中で5〜6枚程度の確率だと言うから、かなりの執念を持って撮影に臨んでいる姿勢が窺える。
「連写で撮るからこそ、色々な表情の水滴が撮れるんです。それができるので、この連写機能は助かってます」と重ねるKazooさん。
奇跡の1枚の裏には、往々にして苦労がある。それをさらっと語るKazooさんから、クリエイターとしての情熱を感じた。 -
操作性の良さが、ながら撮影を可能にする
水滴写真も去ることながら、シロップをかけたり、チョコソースをかけたりと「ながら撮影」を多用するのもKazooさんの特徴。第2話で取材した「おっくんの宅飲みグルメ」でも見られた光景だが「料理」と「ながら撮影」は切っても切れない関係である。
料理のシズル表現の1つに「流体の表情を切り取る手法」があるが、Kazooさんは、それを多用している。
しかし、シロップをかけたり、チョコソースをかけたりする際には、カメラを見るわけにはいかない。
曰く「撮影しているときは、完全に被写体を見てます。でも、LUMIXのカメラは3連ボタンとか、触覚で操作できる仕様になっているので、被写体に集中しながら、カメラ操作できるんです」という。
カメラの操作が簡単だからこそ、撮影に集中できる。
妄想喫茶の運営には、こういった機能の理も働いているのであろう。 -
独特のミニチュア感
S PRO 50mm F1.4のレンズを開放で使うことが多いというKazooさん。
その理由を聞いた。
「被写体の周りに色々なものを置いて撮るので、視線誘導のために開放で撮ってます。あと、フルサイズのF1.4でテーブルフォトサイズの被写体を撮ると、極端なボケからミニチュア感が出るんです。実はこれも妄想喫茶の世界観に重要な要素なんです」
撮影という視点から、妄想喫茶の世界観を紐解くと、何がそれを構成する要素なのか、非常に理解が進む。 -
オリジナルLUT Retrostyle709
妄想喫茶の世界観を表現する上で欠かせないのが現像だ。
現像をする上でも、LUMIXの忠実な色は欠かせないという。
「レタッチで結構、大胆に色を変えたりするんですけど、LUMIXは元の色が忠実なので、すごくやりやすいんです」そう語るKazooさん。
そんなKazooさんは”Retrostyle709”というオリジナルLUTを作成している。
こちらの、LUMIX Color Labでダウンロード可能。
ちなみに、おすすめの使用法は「15〜16:00頃の自然光で撮影した素材に当てる」ことだそう。